日光へ行く。
陽明門をはじめ、社殿群は、あらためて凄まじい。建物の形をした工芸品、美術品だ。ここに訪れたのは実に小学校の修学旅行以来だが、その時は「へえ、きれいだな」という感想ぐらいだっただろうか。建築設計を生業として、この場所を再訪し、またこの凄まじさに気が遠くなる。しかも、この贅を尽くした建造物はわずか一年半でつくったという。
今同じことをするとなると、図面を引くだけで5年、10年なんて簡単に過ぎてしまいそうで、そこからつくるとなると何十年もかかるようなそんな仕事になる気がする。
奥社入口にひっそりと護る眠り猫。江戸時代、職人がスーパ-スターだったというが、この眠り猫を彫った大工、左甚五郎もその一人。今で言う、イチローやマイケル・ジャクソンのような人だろうか。そんなスターっぷりが落語で伝わっている。「竹の水仙」「三井の大黒」「ねずみ」など、左甚五郎の伝説を噺にしたものがいくつも高座にかけられている。左甚五郎の彫刻作品を細川越中守が大金を積んで所望したはなしなどなど。
江戸時代、現在、自分の子供時代。ちょっとしたタイムトラベルをしたような時間だった。大人の修学旅行もなかなかいい。友人が小学校時代に遠足で登った山を登り直していると言っていたが同じ感覚だろうか。
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