9.13.2009

富弘美術館 @TKY

ロッテルダムから一時帰国中の建築家KGO氏ともに群馬・栃木建築ツアーへ、富弘美術館・足尾銅山・日光輪王寺をまわる。当初現代建築をリストアップしていたが、お互い趣味が変わり歴史遺産、産業遺産を見ることに。

富弘美術館はヨコミゾマコト氏による設計。
平面に円形を並べ、展示空間を作り上げている。円形を並べ、なぞることで、絵の展示がスムーズに見られる。展示と円形の空間の親和性がとてもよく、空間としても居心地が良かった。板、ボードなど規格品を無駄なく、経済的に使うと部屋は四角になる。供給側の論理ではなく、利用者の論理に立った、建築空間に対しての新しい挑戦・提案である。
円形の集合体としての建築であるが、並べられた円それぞれに性格を持たせたいという設計者の意図が感じられた。コンセプトと建築の空間表現がとても素晴らしかったが、設備の納め方と材料の使い方に難があるような気がした。一つ一つの円の空間の床・壁・天井がすべて異なる素材が使われていて、円の数x3(床・壁・天井)というたくさんの素材のサンプル集のようになってしまっていた。また、空調の床吹き出し口や屋内消火栓などがとってつけたようで目立ってしまっていて、とても気になってしまった。純粋に建築表現を追い求めるのか、純粋さを捨ててでも詳細をきれいに納めることに尽力するのか、その分かれ道を見た気がした。
富弘美術館
am9~pm5
〒376-0302 群馬県みどり市東町草木86
tel 0277-95-6333

建築の構造・詳細設計は「ディテール166」彰国社が詳しい。

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