2.14.2009

日本の建築の法律 @TKY

中国の建築の法律について以前書いたけれど、じゃあ日本はどうなんだということで

建築に関する一番根本の法律に建築基準法があり、「公共の福祉」を目的としている。具体的には安全・防火・交通・衛生などの点が重要視され、緊急車両が入れるようにだとか、避難経路だとか、消防避難器具の設置だとか建築基準法、消防法、ハートビル法、都市計画法など関連法規で建物の大きさ、形、詳細など細かく定められている。

建築は財産であるという側面(土地や建物の価値)に関わることに建ペイ率(その敷地の建て坪の限界)、容積率(その敷地の床面積の限界)というものがある。これは街の発展度合いをコントロールするもので、どんどん発展させたい商業地などには高い数値を、発展を抑えたい住宅地は低い数値を設定されている。敷地に大きい建物を建てられれば建てられるほどたくさんの床面積の場所を貸せたり売れたりするので土地の値段は上がる。
共同住宅はという土地の使用方法だけ共用の廊下・階段は面積をカウントしないという緩和措置がある。日本の住宅事情が劣悪すぎるということでできるだけ広い家に住めるようにという配慮からきている。

ある地方都市で共同住宅の建築の申請をした時に行政官が「この「緩和措置」は東京や大阪のためだけで地方都市では使って欲しくない。高い建物は欲しくない。高い建物がどんどん建てば遠くが見通せなくなり山々が見えなくなる。」と言っていた。


法律で制限をしたり、その制限の緩和したりすればその境界となる部分、思いと思いがぶつかっている部分があるという話。

日本にあるいろいろな法律にはバックグラウンドがあり、ベースとなる思いを含んでいる。
誰かが分かりやすく面白く解説してくれるといいなと思った。


「建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。(建築基準法第2条)」
「建築物又は建築物の敷地を交通上、安全上、防火上又は衛生上支障がないものとする(建築基準法第92条の2など)」
「共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、算入しないものとする。(建築基準法第52条2項6号)」

1 件のコメント:

  1. こっちで仕事をしていて面白いのは、世界のあらゆる国から建築家があつまり、異なる国でのプロジェクトに携わっていること。ということは、それだけ異なる建築法を学んで来た人がいるわけで、あらゆる国によって制限がいろいろ異なることを日々感じている。通常、仕事上では敷地がおかれた国の法規に従うわけだが、国によっては独自の法規に加え、さらに他国の規定や国際基準を導入する場合もある。

    現在担当しているカタールの仕事を例に取ると、カタール独自の規定に加えてNFPA(消防法), ADA(米国障害者法), IBC(国際建築基準)と主にアメリカ基準と国際基準を適用するよう指定されている。これは施主と設計者の間に入ってプロジェクトのマネージメントを管理している建築コンサル会社がアメリア系であるからだと思われる。しかし、面白いのはカタール独自の消防基準はシンガポールの基準に大きく影響されている。それは確認申請の審査委員メンバーのほとんどがシンガポール人であるからであり、さらに掘り下げると、そもそもシンガポールの基準というのはもともと英国基準に基づくものであり、結果としてイギリス基準とアメリカ基準のいいとこ取りといった規制のもと設計が行われなければならない。

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