5.25.2009

アルメーレ@RTM

Almereと書いて アルメーレと呼ぶ。アムステルダムの東、電車で20分ほどの場所に位置する都市アルメレに行ってきた。オランダ国内でも一番新しい都市の一つである。もともと湖の一部であった土地を干拓し、1970年代から徐々に発展してきたが、増加するアムステルダムの人口の受け口として80年代後半あたりから更にその重要性を増した。90年代には都市中心部のさらなる開発を図るためOMAにマスタープランを依頼して現在に至る。

OMAによる計画は対象地区の土地全体を地上から浮かび上がらせ、その下に車道と駐車場を、地上階は歩行者天国にして商業を、そして商業の上には屋上庭園と住居を配したもの。人工地盤という考えは日本でもメタボリズム運動の一環として大高正人氏によって早いうちから試みが行われてきているが、メガストラクチャー(建築物)という概念から離脱した、都市形態としてのアルメレの人工地盤は世界的にも初めての成功例ではないだろうか。駐車場階を歩いていると、それぞれ異なる地上部の建築物の構造や設備が同一空間に連立し、地上階のプログラムの標識とそこに直接通じる階段やエスカレーター、エレベーターが散らばっている。

国土の大部分を人工的に築いてきた、またどこまでも平地が続く国土と向き合ってきたオランダ人ならではの、地面という概念に対する考え方が顕著に表れたとても面白い町だった。ちなみにOMA計画のシネコンとSANAAによるスタッドシアターも拝見したが、特にコメントすることなし。


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