3.05.2009

スタジアムシティー@RTM

アヤックススタジアム。
サッカーファンが同じチームにいると試合を見に行く機会が増える。UEFA CUPの試合でアヤックス対イタリアリーグ•フィオレンティーナをアムステルダムのスタジアムまで見に行って来た。試合結果は1−1の引き分け。
試合も面白かったけど、スタジアム自体のほうが自分にとっては印象に強く残った。1996年に完成したスタジアムは屋根が開閉式で、どの客席からもピッチが完璧に見渡せるよう設計されているとのこと。でもこのスタジアムがユニークなのは、その断面図である。スタジアムの地上階と二階が駐車場になっており、その中央を道路が通っている。高速道路から直接駐車場に入ることが可能だ。この道路と駐車場の真上の階がピッチとそれを囲むようにフードコートが並んでいて、さらに上は客席となっている。客席の階にたどり着くために、スタジアムを取り巻くいくつもの入り口にはエスカレーターが設置されており、その他階段や作業員用の入り口などを含めると、スタジアムはまるで巨大なタコのように見える。インフラとエンターテイメントが重なり合った極めて高密度でアーバンな状況が、アムステルダム郊外で周辺にはろくに何もない場所に突如としてそびえ立っている。

タコで思い出すのはまさにOMAによるZeebrugge Sea Terminal プロジェクト(1989)だが、フェリーターミナルではなく最近ではスタジアムに覆いかぶさるように、ホテルやアパート、ショッピングモールなどがくっついたスタジアムコンプレックスの計画が増えている。ピッチ下はインフラ、ピッチの上は居住空間、ピッチ周辺は商業施設といったメガスタジアムが今後出来てくると、もともと都市の郊外に存在していたスタジアムが都市機能そのものとなりうることを想像させる。その際、ピッチは時として市民の注目を一度に集めるステージ(政治的演説の舞台)であると同時に、ピッチから見える景色というのは都市と社会の断面そのものである。本来パフォームする側のピッチが観戦する側となり、観戦しているはずの側が実はパフォームしている、ちょうど国会会議をテレビを通じて見ている我々市民の状況が物理的に表現されたメガストラクチャー。
旧大阪球場が一時期、住宅展示場として利用されていた時の様子。現代版、コロシアム。

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